前の週のサイクリングしまなみから帰ってきて、自分のペースで山に紅葉を見に行きたくなり、ついでに西鉄のサイクルトレインを試してみようと思い、大善寺駅から矢部村〜小国〜大観峰〜菊池渓谷〜新玉名のルートを走った。
まずサイクルトレインはとても便利。自転車を輪行袋にいれなくていいのはもちろん楽だし、予約がLINEから乗車10分前までにすればいいという簡単さも素晴らしい。そのためもあってか7時天神発の早めの便だったにもかかわらず自転車を乗せている人が結構多かった。今のところ現状に十分満足だが、自転車のラックなどもう少し乗せやすい車両があるともっとうれしいだろうなあと思った。
大善寺から広川、黒木を通って国道442号線の竹原峠を越えた。長い長い登りで、数ヶ所10%くらいのややきつめの坂があるが、それもそれほど長くないのでこれだけならまだ足を十分残してパスできる。
竹原峠を越えて鯛生金山を過ぎてから、道のアップダウンを十分把握していない状態での小国までの道で少し足を消耗してしまった気がする。やっぱりロングライドをするとき残りの距離とアップダウンを把握して、ペース配分を守って走れるかどうかが大事なんだと感じる。このあたりはGarminのサイコンでアップダウンをきちんと見ながらペース配分を守って走ると、長距離のライドにいいのかもしれない。
今回一番の難所はこの竹原峠かと思っていたが、南小国から大観峰までの12kmのロングクライムがそれ以上だった。傾斜は感覚的には急なところでも5〜7％程度だと思うが、すでに消耗し始めている脚では、それ以上さらに消耗していくのをどうしようもなかった。（プロじゃないんだし、きちんと休憩をはさめばよかっただけかもしれないが。）大観峰に着いたときも脚はまだ少し残ってはいたが、ペース配分は最悪だった。大観峰の景色は最高の一言。澄み渡った秋晴れに雄大な景色がただただ美しかった。ここまでロードバイク乗りとはほとんど会わなかったが、大観峰で大阪から1泊2日の弾丸ライドに来られているというご夫婦と少し話をした。こんなところまで登って来れる奥さんは大したものだが、旦那さんはケルビムにDura-aceを装備してて、あらためてクロモリに乗った速い人が最強にかっこいいと思った。自分が会った中で初めてMullerのことを知ってる人でもあった。結構すごい人だったのかもしれない…。
大観峰からしばらくミルクロードを西に走ったあと、菊池渓谷へ下る道が自分の自転車人生の一コマに残るかもしれないくらいの素晴らしいダウンヒルだった。紅葉はまだ色づき始めくらいだったがそのためかそこを走る人はほとんどおらず、夕方の少し薄暗くなり始めた静寂の中、紅葉混じりの樹木のトンネルを独り占めして走り降りた。季節、時間を狙って行ったとしても、その状況は再現できないだろう。本当に気持ちいいと、写真をとろうという気持ちよりも走り続けたいという気持ちが勝ってしまう。
菊池市に着いてからはもう脚も残ってなくて、特に楽しくもない平坦路を西に向かった。できれば大牟田まで走ってまた西鉄のサイクルトレインを使いたかったが、意外と距離があり、「旅は切り上げどきが大切」という神楽坂つむりさんの言葉のとおり、新玉名で新幹線に乗って帰った。